「折口信夫の女歌論」 阿木津 英 「読みにも、ジェンダーはある。男の経験と女の経験は隔たっている部分はかなり多い。」フェミニズムは生きている。まだまだ進化するジェンダー論。そのただ中で、日本語人として著者は、女歌の相対化について語る。 文芸評論詩歌
「グレン・グールドを聴く夏目漱石」 樋口 覚 『草枕』の文章が放つリズム感、その音楽性に魅せられ、朗読するグールド。その息遣いをモチーフに律動的な文体の創造に思考を深める。道草し、彷徨する漱石論。 文芸評論
「二〇世紀の虫」〈解読不能なもの〉について 瀬尾 育生 われわれ自身が寓意であるとはどういうことか。カフカ、ヴィトゲンシュタイン、ハイデガー、ベンヤミン……に、20世紀の〈解読不能なもの〉の系譜をさぐる。 文芸評論詩歌
「自転車乗りの夢」現代詩の20世紀 佐々木 幹郎 萩原朔太郎、石川啄木、宮沢賢治、中原中也、永井荷風、室生犀星、鮎川信夫、寺山修司、谷川雁、太宰治、坂口安吾……。詩人が案内する20世紀の日本文学の現場。 文学エッセイ詩歌
「富士曼陀羅」三島由紀夫と武田泰淳 樋口 覚 戦後を代表する文学者のライフワーク『豊饒の海』と『富士』には、生まれ変わりの物語があった。著者は二人の浸透し合い、対立し合う創作上の戦いを徹底解読する。 文芸評論
「リーメンシュナイダー」中世最後の彫刻家 高柳 誠 時は、宗教改革、農民戦争の混乱期。後期ゴシックの美学を完成させた彫刻家リーメンシュナイダー。その造形精神に共鳴する詩人が作品を追って書き継いだ美術論。 美術