「俳句が文学になるとき」 仁平 勝 十七文字で文学は可能なのか。子規・虚子・蛇笏・放哉・久女の句集を読み解き、どのように文学を志向しどこまで文学たりえたのか、近代俳句への新しい視点を提示。 俳句文芸評論
「あたらしい手の種族」詩論1990-96 瀬尾 育生 時代はいつも曲がり角。現代詩の挑戦も、また、果てしなく繰り返される。詩人として最前線で活動する著者が、詩の言葉を愛することの意味を真摯に問う。 詩歌
「甦るイコン」ロシアを映し出す鏡 川又 一英 イコンを巡る旅、森と斧と民衆と。1966年以来、ロシアを訪れる度にイコンは、著者の心の奥深くに舞い降りてきた。イコンを通して捉えた現代ロシアの心と原風景。 文学エッセイ紀行
「TKO(テクニカル・ノックアウト)」現代短歌の試み 加藤 治郎 新しき詩歌へのマニフェスト。もっと自由に、もっとおおらかに表現を拡大せよ。次代を担う気鋭の歌人が、短歌創造の水位と方向を指し示す。刺激的第一評論集。 詩歌
「『注文の多い料理店』考」イーハトーヴからの風信 赤坂 憲雄吉田 文憲 賢治とは誰か、イーハトーヴとは何か。やわらかなテクストの襞に織り込まれた、はじまりの風景。賢治神話との、やがて訣れへと向かうしばし戯れのプロローグ。 文芸評論
「台湾の日本語文学」日本統治時代の作家たち 垂水 千恵 邱永漢、周金波、陳火泉、王昶雄、坂口澪子、呂赫若。彼ら6人の作品を通して、戦前の台湾での日本語による執筆活動が何であったのか、今日的問題として読み解く。 文芸評論
「奇蹟の器」デルフトのフェルメール 千葉 成夫 魅惑のフェルメール論。現代美術の批評家が、30数点の作品だけを残した、17世紀の天才画家フェルメールを、同時代人の視点で分析する、著者渾身の書き下ろし。 美術